
同居している両親の身体の具合が悪くなってから、我が家の週末の過ごし方は少し変わりました。
今では私と高校生の息子の二人で、毎週末に一週間分の食材をまとめてスーパーで買い出しをするのが当たり前になっています。
夕食の材料はもちろん、朝食の卵やパン、ハム、和食用の納豆。
子どものお弁当のおかずに、両親の昼食用の食材、さらには「これが食べたい」と頼まれたものまで。
それらを一つひとつ思い浮かべながらカゴに入れていくと、二つではとても足りず、気がつけば三つのカゴがいっぱいになります。
買い物で一番しんどい時間は、実はレジを終えてからです。
精算された商品をカゴから袋へ移し替える、あの作業です。
レジの店員さんはいつも見事です。
重いものは下へ、軽いものは上へ、潰れやすいものはさらにその上へ。
流れるような手際で商品を詰めていく姿に、毎回感心させられます。
しかし、その後が大変です。
清算済みのカゴから商品を取り出し、テーブルに並べ、重いものから袋へ入れ直します。
息子と二人で作業をしても、どうしても時間がかかってしまいます。
そんなある日のこと、作業の最中に息子が何気なく言いました。
「お父さん、あのカゴを買ったら便利なんじゃない?」
それが、買い物済みカゴでした。
買い物中は通常のカゴの下に重ねておき、精算時には店員さんがそのままそこへ商品を入れてくれる仕組みです。
つまり、精算後の移し替え作業が不要になるのです。
三カゴ分の買い物をする我が家にとって、それはまさに救いの道具でした。
三つ購入すれば、あの一番しんどい作業が、まるごとなくなります。
そのことに気づいた瞬間、私は息子に心から感謝の気持ちを伝えました。
日々の買い物の大変さを、きちんと見ていてくれたことが何より嬉しかったのです。
それ以来、レジを終えた私たちは、商品を詰め替えることもなく、涼しい顔でそのまま車へ向かっています。
買い物済みカゴのおかげで、週末の買い物はかなり楽になりました。
そして何より、何気ない一言で家族の負担を軽くしてくれた息子の成長を、静かに噛みしめる時間にもなっています。
