私は、とある法人のグループホーム職員を経て、現在は同じ法人の就労継続支援B型作業所の職員として働いています。
私が福祉の仕事に携わりたいと考えるようになったのは、過去に経験したある出来事がきっかけでした。

当時、私が就職した会社は、精神科医が運営する法人のシステム部門を担う職場でした。
面接前にその法人について調べてみると、インターネット上には厳しい評価が数多く書き込まれており、不安を感じたことを覚えています。それでも「多少はそういうこともあるだろう」と自分に言い聞かせ、面接合格後入社を決めました。

しかし実際に働き始めると、その不安はすぐに現実のものとなりました。
その医師は、昨日言っていたことと今日言っていることがまるで正反対ということも珍しくなく、現場は常に混乱していました。心の中で「この人こそ診てもらった方がいいのでは」と何度思ったか分かりません。

さらに問題だったのは、その金銭に対する執着でした。
システム部門としてレセプトコンピュータを扱う中で、実際には利用していないサービスが入力されているなど、不自然なデータに気づくこともありました。真相のすべてを知る立場ではありませんでしたが、強い違和感と恐ろしさを感じていたのは事実です。

一方で、実際にデイケアを利用されている方々と接する中で、福祉という仕事そのものには大きな意義とやりがいを感じていました。このギャップは、今でも強く印象に残っています。

また、夜遅くに「勉強会」と称した集まりが開かれ、医師が一方的に話をする場に呼ばれることも多く、精神的にも厳しい日々が続きました。

そんな中、ある日県警の方から連絡が入りました。
事情を聞くと、入社前に加入していた国民健康保険証を保険の切り替えに必要だという事でコピーを許してしまったのですが、その保険証が不正に利用され、実際には受診していないにも関わらず、医療報酬が請求されている可能性があるというのです。

私は診察を全く受けた事が無い事実をそのまま伝え、その後も数回にわたり事情聴取に応じました。最終的には検察からも呼ばれ、同様の説明を行いました。

結果としてその医師は多数の架空請求の容疑で逮捕され、これまでの出来事の意味がようやく理解できたように思います。

振り返れば、大変な経験ではありましたが、この出来事があったからこそ、「本当に利用者のためを思った福祉とは何か」を考えるようになりました。
当時出会った利用者の方々の顔が、今でも心に浮かびます。

だからこそ私は、真面目に福祉に向き合っている法人で働きたいと強く思うようになりました。
現在の仕事は、その想いの延長線上にあります。

あの経験があったからこそ、今の自分がある。
そう思える出来事のひとつです。

By Alex

楽しい時も辛い時も全て私の人生。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です